熊本地震の知見を生かす 派遣の県職員が知事に報告

宮﨑知事㊨に被災地での活動を説明する派遣職員ら
宮﨑知事㊨に被災地での活動を説明する派遣職員ら

熊本地震の被災地に派遣されていた和歌山県からの応援職員5人が17日、宮﨑泉知事に現地での活動状況を報告した。職員からは現地での体験から見えた課題などの指摘もあり、宮﨑知事は職員らの活動に感謝し、県の今後の防災施策の強化へと生かすことに期待を寄せた。

報告会には、2~13日の期間に宇城市や熊本市で活動した危機管理部、福祉保健部などの職員5人が出席。現地では罹災証明書の申請受付、被災建築物の応急危険度判定をはじめ、トイレカーの運用、在宅被災者の健康管理など多様な支援に当たった。

罹災証明書の申請受付を担当した財政課の佐藤和也主事は、奈良県や長野県など全国各地からの支援者と共に業務をした経験から、他の自治体からの支援者が増えると業務の方法や手順の不統一が増えるとし、和歌山県で今後災害が発生し、指揮する立場になった場合には「的確に指示をした上で、複数人でも正確な対応ができるような体制づくりが求められる」と語った。

被災建築物の応急危険度判定を担当した建築住宅課の南智大技師は、木造住宅の倒壊被害などを目の当たりにしたことから、「まず命を守るために住宅の耐震性が大事だと感じた。県内の住宅耐震化率を上げていきたい」と意気込んだ。

防災企画課の増本真平課長補佐は、宇城市の豊野支所に設置したトイレカーが被災者や現地の職員に感謝されたことを紹介。能登半島地震の被災地に派遣された際は、避難所のトイレが非常に不衛生な状態になっていたことと比較し、「多くの団体からトイレカーを持っていったことで改善もあったと思う」と話した。

在宅被災者を訪問し、健康管理に取り組んだ健康推進課の平野悠紀子医療技師は、断水に加え、気温が40度を超える日もある猛暑で、熱中症やエコノミークラス症候群、口腔ケアの不足による誤嚥性肺炎などが懸念される状況だったと報告。「最初期から誰一人取り残さない支援が大事で、関係機関とのスムーズな連携の重要性も強く感じた」と述べた。

被害状況の確認や応援職員の派遣調整などに当たった危機管理消防課の大畑敦義課長は、「私は危機管理部だが、福祉や建設、住宅など関連部門との連携をいかに日頃から密にするかということと、被害が起きた場合の訓練をもっと充実していく必要があると感じた」と、派遣経験を県の取り組みに反映させていく重要性を話した。

報告を受けた宮﨑知事は、猛暑の中、被災地のために活動した職員の労をねぎらった上で、南海トラフ巨大地震を見据え、「皆さんが体験したことをマニュアル化し、いかに重大事態が起こった時に対処できるかが本当に大事だ。地震の怖さや耐震化の大切さをしっかりと皆さんに伝えてほしい」と述べた。