故郷を良くしたい 那賀高生が岸本市長と意見交換

「自分たちの暮らすまちの未来はどうなるのだろう」――。福祉や教育、観光などそれぞれの進路を見据える那賀高校3年生の生徒3人が6日、和歌山県紀の川市西大井の喫茶雅園で岸本健紀の川市長と意見交換した。3人が進学について調べる中で市への疑問などが湧き、市に依頼して実現したもので、若い世代の鋭い視点と行政の施策が交差する熱い議論が交わされた。
意見交換に参加したのは、野上萌さん(17)、藤田結芽さん(18)、木村優月さん(17)の3人。
それぞれが抱く将来の目標や進路の希望をもとに、地域の現状や行政の取り組みについて直接市長に問う場となった。
食マネジメント分野への進学を控える野上さんは、祖母の認知症の経験から高齢者の食や自宅でのサポート体制に関心を持つ。その上で、高齢者が孤立せず健康に暮らせるためのデイサービスや地域の居場所づくりについて質問した。
認知症サポーターの養成や地域の支え合いの重要性にふれた岸本市長は、高齢者らが気軽に集まることのできる「気軽なつどい場」として、市内6カ所で定期的に開催されている取り組みを紹介。
地域活性化や観光に関心を持ち、大学への進学を予定している藤田さんは、住民自身が楽しく暮らせる環境づくりや、観光と体験を組み合わせた地域活性化の在り方について意見を述べた。これを受けて岸本市長は、桃やイチジクといった特産フルーツを生かした観光農業の強みを強調し、住民が豊かに暮らせる地域づくりの大切さを語った。
小学校教諭を目指す木村さんは、子どもたちに故郷の魅力を伝え、和歌山に誇りを持って住み続けたいと思わせるための教育の在り方について尋ねた。
岸本市長は、教員の役割として授業の楽しさや地域教材を活用した故郷愛の育成を挙げ、幼い頃からの体験や教育が将来のUターンにつながるという考えを示した。さらに、デマンド型交通をはじめとする公共交通の利便性向上など、人口減少下における持続可能なまちづくりの課題についても言及した。
意見交換を終えた生徒たちは「市長の思いを直接聞けて勉強になった」とする一方、農業体験やイチゴ狩りなどの魅力的なイベントがありながらも「若者には知る機会が少ない」と指摘。さらに「学校で紀の川市について学ぶ機会がもっとほしい」などと率直な課題を投げかけ、故郷の良さを再認識しつつ将来への思いを新たにしていた。
岸本市長は、高校生が自ら地域に関心を持ち、将来を見据えて疑問を発信してくれたことについて感謝し、「非常に新鮮で刺激になる」と若い世代が地域ブランドや誇りを形づくっていくことへの強い期待を示した。


