各分野で模範の功労 秋の褒章に県内5人

2026年秋の褒章受章者が3日に発令される。和歌山県関係の受章者は5人で、内訳は、各産業の業務に精励して模範となる人に贈られる黄綬が2人、社会福祉の増進や公共の事務に尽力した人に贈られる藍綬が3人。11月中下旬に各省庁で伝達され、その後、東京で天皇陛下への拝謁が行われる。

今回を含めた県内の受章者総数は、男性1026人、女性141人、3団体の計1170(黄綬516、藍綬643、緑綬5、紫綬6)となる。

晴れの受章者は次の皆さん。

【黄綬】

泉巌(67)㈱泉組代表取締役、新宮市熊野川町日足▽鈴木史郎(64)しろう建築設計室代表、和歌山市和歌浦東

【藍綬】

沖孝之(75)保護司、田辺市古尾▽須﨑恵美(70)調停委員、新宮市神倉▽谷岡龍樹(78)保護司、太地町太地


黄綬褒章 しろう建築設計室代表
鈴木 史郎さん(64)
― 和歌山市和歌浦東 ―

暮らしやすさ大切に

見た目の華やかさよりも「使い勝手」を第一に。一級建築士として40年以上、
施主や現場の声に真摯(しんし)に向き合ってきた。関西大学工学部建築学科を卒業後、建築士事務所での勤務を経て独立。2008年には、設計監理を手がけた和歌山市楠見の住宅が、「ようこそ私の森林へコンテスト」で優秀賞を受けた。引き戸や吹き抜けを巧みに配し、和の意匠と暮らしやすさを融合させた空間づくりが高く評価された。

歴史的建造物の保存・活用を担う「ヘリテージマネージャー」の県内における先駆者的存在でもある。湯浅町の伝統的建造物や旧東山東農協の改修を手がけ、登録文化財指定へと導いた。単に保存するだけでなく、「いかに地域に愛され利活用されるか」を重視し、NPOや地域住民との絆を結びながら、まちづくりに尽力。空き家対策の相談員や、裁判所での民事調停委員を務める他、ポリテクセンターなどで外部講師として10年以上後進を育成する。

今回の受章には、「小学生の頃からの夢だった建築士の道を歩んできた。ぶれずに仕事を続けてきたことを褒めていただいたのかなと受け止めている。大切にしてきた使い勝手の良さや現場での誠実な対応を積み重ねてきた結果だと感じている」とほほ笑む。

今後の目標は「依頼された仕事を愚直に、しっかりとやり遂げること。何が来ても『できない』と言わず対処できるよう、日々精進し続けたい」と生涯現役を掲げている。