向陽初戦で散る 終盤の好機生かせず

 第94回全国高校野球選手権和歌山大会は大会初日の13日、和歌山市毛見の県営紀三井寺球場で2試合があり、第2試合で向陽が新翔(新宮市)に5―6の接戦の末敗れた。向陽は毎回走者を出し、得点した回以外にも計5回の得点圏の好機を演出したがあと一本が出なかった。

新翔
3010001016
1100030005
向陽
 〔新〕藪本、竹内―玉石〔向〕山本、小畑―辻本▽2塁打=山路(新)辻本(向)

 向陽は3点を追う初回、辻本の左越え2塁打で好機をつくり犠打で走者を進めると、窪田の中前適時打で1点を返上した。2点を追う6回には1死2、3塁とし、辻本、岡田の連打で同点。相手投手のボークで逆転した。だが同点で迎えた9回に逆転を許し、初戦突破はならなかった。

 打線引っ張った辻本捕手 9回2死、1番の辻本は後続につなぐことだけを考えて打席に入った。「勝つのは自分たち。最後の打者にはならない」。竹内投手の初球を振り抜くと、ライナー性の打球はセンター方向へ伸びる。「抜けろ」。白球に思いを込めて見送ったが打球は惜しくも中堅手のグラブに収まった。1塁ベースを回り終えた辻本はベンチの方に振り返り、そっとはにかんだ。「悔いはない」。胸を張って整列へと向かった。

 辻本はこの日6回打席に立ち、1四球、3安打の計4回出塁する活躍を見せていた。「全力を出し切ることができた」と笑顔で振り返り、「今までありがとう」と仲間に感謝を述べた。

    ◇
 〔第1試合〕
紀北農芸
0100000203
32000004×9
耐久
 〔紀〕石田―庄田〔耐〕梅本、内芝―寺嶋▽3塁打=立石(紀)金森(耐)▽2塁打=和田、高瀬(紀)金森、勝丸、宮下、梅本、寺嶋、大前(耐)