都市の荒廃を学ぶ 「まちのちから塾」第2回

 中心市街地の活性化を考える和歌山市主催の 「2030わかやま・まちのちから塾」 の第2回セミナー&セッションが26日、 市役所で開かれ、 約90人の市民らが、 都市が荒廃する原因と再活性化のヒントを海外の事例などを通して学んだ。

 今回のテーマは 「まちの部品・まちの姿 変遷編―まちの滅び方を外から見る」。 講師は前回に続き、 ㈱タフ・コーポレーション社長の藤後幸生さんら3人が担当した。

 藤後さんらは、 世界経済の中心として世界で最初に都市問題を経験した英国ロンドンと米国諸都市の事例を紹介。

 戦前のロンドンは、 経済発展により住民の所得と中流家庭が急激に増加し、 アーケード商店街や百貨店を中心とする 「まちなか」 が形成され、 都市部が拡大した。 戦後の米国では、 郊外型のショッピングセンターが次々と建設され、 都市部はさらに拡大。 しかしバブル経済崩壊後、 長引く不況と貧富の差の拡大などにより、 まちなかと郊外の間がスラム化して分断され、 まちなかは荒廃、 都市はドーナツ化した。

 後に日本も経験したこれらの歴史を知ることで、 都市が空洞化した原因を探り、 まちなかを再活性化させる米国の事例も紹介された。