湯浅の嶋本さん優勝 世界和太鼓一人打ちコンテスト
和歌山、 海南両市で教室を主宰する和太鼓奏者の嶋本龍さん(36)=湯浅町=が、 長野県岡谷市で開催された世界和太鼓一人打ちコンテストで優勝。 最優秀の文部科学大臣賞を受賞した。 初めて手にした全国的なタイトル。 「お世話になっている皆さんのおかげ。 これからも日本文化の魅力を伝えていきたい」 と笑顔を見せている。
コンテストは、 川中島合戦で武田軍を鼓舞したといわれる伝統の 「御諏訪太鼓」 を元に郷土芸能として発展した岡谷太鼓の祭典 「第43回市民祭・岡谷太鼓まつり」 (8月13、 14日)のイベント。 祭典が 「300人による日本一のそろい打ち」 で知られ、 一日約8万人の人出でにぎわう中、 13日に直径2㍍の平胴太鼓を使っての熱戦が展開され、 予選を勝ち抜いた男性10人、 女性4人が心・技・体を競った。
2人目で登場した嶋本さんはオリジナル曲の 「大太鼓 暁」 を演奏。 夜明け前の静寂を繊細に、 昇り輝く朝日をダイナミックに打ち鳴らして表現し、 力強くも澄んだ音色を響かせた。 派手さではなく太鼓本来の透き通った美しい音を求める姿勢を貫き、 3回目の挑戦で念願の頂点へ。 同日夜のメーンステージ出演権が与えられ、 8万人の観衆を前に楽しく思い切りのいい演奏を披露した。
11歳の時に和太鼓に出合い、 アマチュアグループのリーダーを15年間経験。 平成20年に独立、 奏者兼指導者として活動している。 奏者としては場所や規模に関わらず同じ質の演奏を心掛け、 指導者としては和歌山、 海南各市での 「和太鼓教室 龍」 を含めて3教室を主宰。 海南市北野上、 巽の各公民館や有田地方の演奏団体、 学校でレッスンを行い、 和太鼓演奏の普及に努めながら、 海外にも活躍の場を広げている。
12月に海南市で初のソロコンサートが開催される予定。 賞状を手に 「プロになってから全国的なコンテストで優勝するのを目標にしてきました。 達成できてうれしい。 これまでお世話になった方々に恩返しができたと思う」 と喜びをかみしめ、 今後へ 「日本の文化を大切にし、 和太鼓の面白さを伝えていきたい」 と熱く語っている。