野半の里が債権者説明会

 破産手続き中の温浴施設㈱野半の里(かつらぎ町、中神住春社長)の債権者説明会が21日、和歌山市民会館で開かれた。出席した債権者らによると、冒頭で中神社長は「全て私の経営監督、判断に大きな欠陥があった。多大な迷惑を掛けたことを深くおわびする」と頭を下げ謝罪。代理弁護士は「会社の資産が現実にいくらで換価できるか把握も推測もできない。破産債権者の配当に当てる資金を確保できるかは見通しがない」と説明した。

 同社は、8月上旬に手元資金の不足が明らかになり、支援を申し出た有力者と交渉を進めながら、法的手続きの検討を始めたが支援を断られたこと、月末から今月にかけて特定の人への手形決済が出てきたことなどから破産の申し立てをすることになったという。

 質疑では、債権者が「最終の預託金の振り込みはいつだったか」「盆過ぎに会員募集のちらしがあった。勧誘行為ではないか」と声を荒げる場面も。一方で「みんなが温泉のファン。何とか温泉だけでも残してほしい」という意見も出た。

 大阪の男性(52)は「謝れば済むという社長の対応は予想通り。預託金がなければ小さな倒産だったのに。温泉再開の話になったが、債権者の意見がどれだけ管財人弁護士に伝わるか」、別の男性(68)は「対応が不十分すぎる。理解できるように話してほしかった」といら立ちを見せていた。