住民手作りの避難路完成 和田地区
大地震による津波などの災害から住民の命を守ろうと、 和歌山市和田地区の住民は、 同地区の中心に位置する標高24㍍の雨霧山 (通称=薬師山) の東側にある静火神社に続く参詣道を整備してコンクリートで舗装。 山への避難路として完成させた。
ことし3月に同地区を含む三田地区で行われた避難訓練 (439人参加) がきっかけ。 和田地区は、 地盤が低い土地が多い。 そこで、 雨霧山の山頂までの約80㍍参詣道を自分たちの手で整備して、 山への避難路にすることに決めた。
三田地区防災会 (伊藤卓生会長) が、 市自主防災組織避難路整備費補助金交付事業に申請。 市の助成を受けて、 ことし10月中旬から、 有志14人が協力して整備した。 山頂までの道は傾斜がきついため、 ほとんどが手作業。 荒れた参詣道の周辺の竹を切り、 地盤を整え、 コンクリートポンプ車を使ってコンクリートを流し込んでいった。 年配者にも配慮して、 登り降りしやすいように一部には手すりも付けた。
伊藤会長 (61) は 「地域の人の安全を守りたいという思いで進めてきた。 みんなで力を合わせたら自分たちでもできる。 自分たちの活動を通して、 多くの人に防災意識を持ってもらいたい」 と話している。