「書」に協力して 三十六歌仙の書画制作

 現在、 三十六歌仙の書画を制作中の田辺市出身、 阪南市の建築デザイナー、 田村茂さん (65) が、 作品にかな文字の書を添えてくれる人を複数人募っている。 完成した作品は紀州東照宮 (和歌山市和歌浦西) へ奉納予定。 田村さんは 「和歌山の皆さんと完成させたいので、 ぜひ力を貸していただければ」 と呼び掛けている。

 田村さんが描いた歌人の画に、 歌人の代表的な歌を書き添えてもらおうというもの。 書のスペースの大きさは15㌢×30㌢で、 用紙は千代紙。 画と書の用紙は分けているため、 何度でも書き直しは可能という。

 田村さんは、 以前知人から三十六歌仙の絵の依頼を受けたのをきっかけに和歌や歌人に興味を持ち、 各地の神社などに奉納されている作品巡りをするように。 そこでは色あせたり、 紙が剥がれ落ちるなど、 保存状態が悪いものが多く、 三十六歌仙があまり知られていないのを残念に思ったという。

 鮮やかな色彩で残したいと描くようになり、 これまでにも六歌仙の書画を同宮と熊野本宮大社に奉納している。

 実は初めの三十六歌仙の制作では、 半分の18人分で途絶えていたため、 今回は再挑戦の意味も込めている。 今回描き下ろしとなる36枚のうち、 半分の18枚分はすでに知人に書を依頼して仕上げており、 残り18人分の書の協力を求めたいという。 落款入りの書も可。

 作品は4月と5月に岸和田市、 田辺市で開く展覧会への出展を予定し、 同宮への奉納は6月を目指している。 問い合わせは田村さん (℡090・3274・4527)。