狐島舞台の小説「星空点呼」で児童文学賞
和歌山市出身の嘉成晴香(かなり・はるか)さん(26)の小説「星空点呼~折りたたみ傘を探して~」が、第4回「朝日学生新聞社児童文学賞」(朝日学生新聞社主催)に選ばれた。物語の舞台は嘉成さんの実家がある狐島周辺。登場する小学校は野崎西小がモチーフだ。7月1日から朝日小学生新聞で連載され、秋には、単行本として出版される。
小学校高学年の頃から思いのままに詩を書き始め、中学2年生で小説も書いていた。14歳の時、詩集『会いたくなったらいつでも会える』の出版経験もある。児童文学を書き始めたのは3年ほど前。きっかけはいじめで自殺する子どもが増えたこと。苦しんでいる子どもたちを救いたいという思いからだ。
児童文学賞を受賞した「星空点呼~折りたたみ傘を探して~」は、目標のない若者や人間関係に悩む小学生たちが、互いに関わり合いながら成長し、問題を解決していく長編小説。児童文学で20歳の若者が登場するのは珍しいが、子どもだけでなく大人も楽しめる作品に仕上がっている。
嘉成さんは「やりたいことがちゃんとあれば生きていける。物語を通していろいろなことに挑戦し、視野を広く持てるようになってほしい」と話している。
現在は大阪府で日本語教師として働きながら、秋の出版に向けて準備を進めている。
イラストレーターが柴田純与さんに決まり、準備は着々と進行中だ。