深山にメガソーラー誘致 9日から事業者公募
和歌山市は、深山の関西国際空港埋め立ての土取り事業跡地に、大規模太陽光発電所(メガソーラー)を誘致する。出力規模は20メガ㍗を予定し、9日から公募型プロポーザル方式で事業者の募集を始める。7月30日の定例会見で計画を発表した大橋建一市長は「公用地の利活用と地球温暖化防止などの環境面に加え、土地の賃料収入など財政面の効果も期待できる」と述べた。
市によると、誘致する土地は、昨年建設されたコスモパーク加太太陽光発電所や加太菜園の北に位置する35・8㌶。うち20・4㌶は市森林公園の一部で、残りの15・4㌶は県と市の土地開発公社の共有地だが、市が取得することで県とほぼ合意したという。
緩い斜面で一般的な利用は難しいが、南向きであり、市の日照時間は全国平均より長く、太陽光発電に適しているとして誘致を決めた。
市は、売電期間20年と施設の設置、撤去期間を含め約22年間、事業者に土地を貸し付ける計画。賃料は1平方㍍当たり年間135円以上とし、太陽光発電パネル設置可能面積は約25・3㌶のため、200円で貸し付けると年間約5000万円の収入となる。
また、事業者の投資額を50億円とすると、20年間で約1億円の償却資産税収入が見込まれる。
公募は9月上旬で締め切り、選定委員会の審査を経て下旬には事業者を決定、10月上旬に市と協定を締結する予定。
大橋市長は「事業者には、市内の施工業者への受注機会の確保や、発電収益による環境や社会への貢献に取り組んでもらいたい」と期待を寄せている。