わかやま全国バレエコンク2位 田中あかねさん

 帝塚山学院泉ヶ丘高校3年生、田中あかねさん(17)=和歌山市徒町=が先日、同市であった「第3回わかやま全国バレエコンクール」高校生・シニア部門で2位に輝いた。スカラシップ賞にも選ばれ、23日から約10日間、ドイツ・ミュンヘンでの国際サマーワークショップに参加する。田中さんは「初の海外なので楽しみ。いろんなことを吸収してきたい」と笑顔で話している。

 田中さんは3歳でバレエを始めた。同市中野のパームシティ和歌山内、和歌山放送カルチャーセンター「法村友井バレエ学校」で、歴史ある名門バレエ団・法村友井バレエ団所属の西尾睦生さん(41)に指導を受ける他、大阪本部教室など2カ所のスクールを行き来し連日レッスンに励んでいる。

 同コンクールには第1回から出場。昨年は6位だった。1位と2位は指導者にも賞が贈られることから、「頑張って西尾先生と一緒にステージに上がりたい」と、今回は「3位以下では意味がない」と自分に言い聞かせて臨んだという。

 選んだ曲は、憧れの西尾先生がかつてコンクールで踊った「エスメラルダ」より。人間の深い心情を表したドラマチックな場面で、かなりの表現力が必要とされる。幼い頃、初めての発表会で最後に西尾先生がその曲で踊るのを目にして以来、いつか自分も踊りたいと思い続けてきた曲だった。そのため、2人で表彰のステージに上がれたことに、感激もひとしおだったという。

 受賞には「自分はまだまだ。舞台ではすごく緊張するし、そんな緊張感もうまく使えるようになりたい」と話す。

 ドイツでのワークショップでは、名高い指導者からレベルの高いレッスンを受ける。最終日には国立バレエアカデミー学校長の舞台評価などもあり「将来についても考える機会になれば」と話している。

 「好きなダンサーは何人かいるけど、一番の目標は、やっぱり西尾先生。踊りには人間性が出るので、先生のように見る人を感動させたり、心で伝える踊りを目指したい」

 将来については、バレエの道だけでなく、さまざまな可能性や選択肢を模索中。西尾さんも「素直で練習熱心。思いのある、本気さの伝わる子ですね。共演者としても刺激し合えれば」とエールを送っている。