和歌山/昨年の救急出動、過去最多 適正利用呼び掛け

 9月9日の「救急の日」に合わせ、県や各消防本部などは救急車の適性利用を訴える。近年全国的に、タクシー代わりや、「優先的に診察してもらえるから」といった不適正な利用が問題になる中、県内でも昨年、救急出動件数が過去最多を更新した。関係機関は、救急車を呼ぶほどでもないが医療機関に行きたい場合、24時間相談窓口「県救急医療情報センター」(℡073・426・1199)を利用するよう呼び掛けている。

 消防庁のまとめによると、県内の救急出動件数は、平成20年に適性利用キャンペーンの効果などにより前年度比2229件減の4万4440件(搬送人員4万2266人)となったものの、翌年から再び増加し、昨年は速報値で4万9736件(同4万6798人)と過去最多を更新した。搬送人員を年齢別に見ると、高齢者が約半数を占めている。

 県内の救急搬送と休日夜間の時間外診察を合わせた患者数は21万1377人(23年度)で、うち軽症患者は17万9707人と全体の85%を占めている。県医務課は「必要であるならばためらわず救急車を利用してください」としながらも、「軽症者の診察により重症者の手当てが遅れるようなことにならないように、適性に救急要請や休日夜間の受診を心掛けてください」と話している。

 子どもの救急相談ダイヤル(午後7~11時)は携帯電話とプッシュ回線が「♯8000」、ダイヤル回線とIP電話は「℡073・431・8000」。