真の「おもてなし」を追求 スターフライヤーの取り組み

 前号で紹介した関西空港発着の新路線、スターフライヤー関西=福岡線が10月1日から運航を開始。関西=福岡線就航PR大使を務める「くいだおれ太郎」も初フライトを楽しんだ。

 「くいだおれ太郎」が満足気に着席する機内は広々としたもの。機内サービスの充実など同社が提供するこだわりの「おもてなし」は経済産業省の「おもてなし経営企業選」を受賞した他、国内航空業界で4年連続の顧客満足度1位を記録。

 同社広報IR部の岸上(きしがみ)さんは「効率のよい運用によりコストを抑えることと、スタッフのおもてなしの精神により、LCC(格安航空会社)に負けない運賃設定で、明らかなサービスの差異化が図れている。お客さまの期待を超えられるよう努めています」と話す。

 設立以来、同社には「感動のあるエアライン」という企業理念がある。顧客満足度調査は、顧客の満足、利用前の期待、利用時の品質、価格への納得、他者への推奨、継続的な利用――の計6種の指標から評価。同社の社員には「困っている人を見たら仕事という意識ではなく一人の人間として手を差し伸べる」「困っている人には笑顔になるまで世話をする」 と心がけ、 マニュアルにとらわれることなく、一人ひとりができる最大限のおもてなしをしようという姿勢がある。顧客からの高い評価の獲得に貢献し、高いリピートを実現しているのだろう。

 和歌山への来県についても、旅行者に「また来たい」と思わせる仕掛けが必要。県が主謀する「おもてなし宣言」は個々人が自分にできるおもてなしの内容をあらかじめ設定し宣言するもの。マニュアルにはない、その人ならではの手の差し伸べ方を結集することが、大きな顧客満足につながるという真のおもてなしの姿を見た。
    (次田尚弘/和歌山)