精進料理世界大会で活躍 和歌山市「三八波」

 和歌山市黒田の日本料理店「味処 三八波」(田上義人代表)が4、5日に韓国京畿道水原市の奉寧寺(ポンニョンサ)で開かれた精進料理の大会「第5回ワールド・テンプルフード・フェスティバル2013」に日本代表として出場し、高野山の精進料理を基にしたオリジナル料理12品を披露した。田上代表(45)は「日本料理を世界にアピールする良い機会になった。日本のブースは大盛況で、料理や聖地高野山への関心は予想以上だった」と話している。

 同大会は、医食同源の考えのもとに自然の産物を味わい、食べ物を分かち合う慈愛の心を大切にする寺伝統の精進料理がテーマ。参加国は韓国、ベトナム、中国、ミャンマー、スリランカ、タイ、ネパール、チベット、ブータンと日本の10カ国・地域。各国の精進料理を会場となった寺のお堂などに展示し、2日間で5万人が世界から訪れて大盛況だった。

 「三八波」のブースは色鮮やかな「秋の吹き寄せ」やレンコンを餅にした「花蓮根」などが人気で、美しい盛りつけに「ビューティフル」の声が多く寄せられた。また、田上代表は全国わかやまポンチ協会の総裁を務めており、和歌山の名前を世界に広めようと、デザートに「わかやまポンチ」を選んだ。

 韓国国営放送KBSをはじめ各局が取材に訪れ、ニュース番組などでも大きく取り上げられた。

 田上代表は「どの国も彩りがきれいで歴史ある精進料理を再現していた。特に開催国の韓国では、精進料理にニラやショウガ、タマネギなど香味の強い食材は避けるということを知り勉強になった」と笑顔を見せた。

 大会出場に際し、店を4日間臨時休業にしたり、食材や調理器具をスタッフ5人と手分けして韓国まで運んだが空港で止められたりと、苦労もさまざまあったが、田上代表は「来年も依頼があればぜひ参加したい」と意欲的。「和歌山は関空も近く、美しい自然やおいしい食べ物にも恵まれている。地元のわれわれが一丸となり、和歌山の良さを伝えてさらに発展させたい」と話していた。