紀の川市議選 旧5町別分析「打田」

 旧5町の中で有権者数が2番目に多く、5人の立候補予定者が構える打田地区。前回に続き、草刈り場の様相を見せている。他地区の候補者が票を求めて足を踏み入れ、「引っかき回されている」と嘆く陣営も。前回、最も投票率が低かった地区の関心は、新人の活発な動きなどで徐々に高まりつつある。

 同地区の有権者数は1万2846人(9月2日現在)。立候補を表明しているのは、石井仁(38)共産現▽上野健(66)無現▽榎本喜之(45)無現▽谷口和秀(46)無新▽中尾太久也(58)無新――の5氏。

 共産党の石井氏は朝立ちで顔売り。候補者の評判にも手応えを感じ、個人としてのファンも増えた。前回は1546票を集め、10番。党員票に加え、反保守票の上乗せを図る。

 前回2109票を集めた上野氏は「新人が多くて票が読めない」と嘆く。新人の登場で、前回の票数を上回るのは難しそうだが、地元東国分と畑野上地区で地盤を固め、態勢を整える。

 前回、新人で1470票を集め唯一当選した榎本氏は市民まつり実行委会長の経験などを生かしながら活動。現職の肩書きが付いた分、認知度が高まった一方で、新人の乱立で「明確な攻め方が分からない」と不安要素も。地元を中心に票を集めている。

 前回、あと一歩のところで落選した谷口氏は反省点を踏まえた活動を展開。4年前から市内のあらゆる行事に顔を出し、ことし7月から本格的な戦闘態勢に。自転車で地区約6000軒を1人で訪問し、地区外での支持拡大にも余念がない。

 中尾氏は友人や市職員時代の顔見知りなどの支持拡大を図る。社会福祉協議会で勤めた経歴があり、高齢者からの支持は見込める一方、「若者の関心が低い」と分析。8月いっぱいで職員を引退し、9月から草の根で奮闘中だ。