吉田さんのかかし高評価 「性格感じられる」

 山東地区をかかしでいっぱいにするイベント「紀州山東案山子めぐり案山子コンテスト」(山東まちづくり会主催)で和歌山市伊太祈曽の新聞配達員、吉田小夜さん(62)の作品「守る!」が最優秀賞に輝いた。吉田さんは、鳥の攻撃から稲を守る母と息子、娘の3体のかかしを作り、「3人それぞれの性格が感じられる」などと審査員の高評価を得た。

 出展数は35組。ユニークさ、芸術性・技術、かかしらしさ、景観とのマッチの4項目で審査された。
 吉田さんがかかしを作ろうと思ったのは昨年春、徳島県へ旅行に行った際、国道にずらりと並んだかかしを見たことがきっかけ。ずっと「私も作りたい!」という思いがあり、回覧板で同イベントを発見してすぐに作り始めたという。

 作品の息子は鳥を追い払おうと竹棒を持ち、母は看板、娘はおにぎりを持って米をPR。3体とも自分の家族の古着を再利用している。

 3体の中でも特に注目を浴びた母は、職場でごみとして捨てられる梱包(こんぽう)用のビニールを、肥料袋に詰めてふっくらとしたリアルなおばちゃんを再現。ビニールが雨をはじくため、かかしとしての機能も高かった。

 吉田さんは、物置小屋を一人で造ってしまうほどものづくりが好きというが、絵に関しては苦労したとか。顔は「印象に残る表情をさせたい」と何度も鉛筆で下書きした。最優秀賞を受賞し、「うれしいし、恥ずかしい」と照れ笑いを浮かべていた。

 入賞者は次の皆さん(かっこ内は作者)

 優秀賞=ジャンボロボ(どーやんと子供たち)、山東竹子(オマッチャ)▽入賞=薔薇君とバラ子ちゃんの結婚式 たまちゃんと共に(仲良し三人組)、バスピン忍者参上!(バスピンdeまちづくり)