年内に「改正道路交通法」施行 求められる、自転車利用の環境整備
秋の行楽シーズンを迎え、和歌山市内でもレンタサイクルに乗る観光客を多く見掛ける。筆者も県外でレンタサイクルを使うことがあるが、慣れない土地での走行には細心の注意が必要だ。
岡山市北区の「あくら通り」は、通勤・通学などの日常生活に加え、岡山城や後楽園を巡る観光客にも多く利用される道路。国土交通省の施策「自転車通行環境整備モデル地区」に選ばれ、一方通行の2車線の道路のうち第1車線を「自転車専用通行帯」として整備。道路を青くペイントし、歩行者、自動車を明確に分離することで交通整理と安全性の確保が図られている。
和歌山市内でも和歌山市駅前、吹上砂山の2地区が同様のモデル地区となり、歩道内に自転車と歩行者の通行位置がわかるサインを表示するなどの実験が行われた。報告書によると一定の評価を得られたものの、自転車通行帯の幅が狭く自転車同士のすれ違いが危険であるなどの指摘があり、今後工夫が必要であるという。
ことし6月に公布され、年内に施行される「改正道路交通法」では、13歳未満の児童や70歳以上の高齢者を除き、自転車は道路左側の路側帯のみ通行可能となる。自転車にも一定のルールが整うことは望ましいが、交通量の多い道路での自動車との並走に戸惑いがあることも確か。初めてその地へ訪れる観光客などにおいては、地域住民に比べ危険予測が劣ることもあるだろう。レンタサイクルの利用が進む今、安全で楽しい観光を促進するための環境整備が求められる。
(次田尚弘/岡山)