目立った争点なく陣営奔走 紀の川市議選

 17日に投開票される紀の川市議選(定数22)。陣営はこれまでの各戸を訪問するローラー作戦から、街宣車活動や推薦はがきの送付、電話での票集めに移行。新人に対して知名度で勝る現職が優勢とみられているが、今回は馬力のある新人が目立ち、前哨戦から続く大激戦は、さらに勢いを増している。目立った争点がなく、大半の候補者が投票率の低下を予想する中、少しずつだが有権者の関心は向けられているようだ。

 前哨戦は参院選や地区の行事などの影響により、例年より出遅れた現職陣営が目立った。新人の中には勤めていた関係で本格的な活動を始めたのが夏以降だったり、候補者の擁立が遅れた政党もあり、低調ムードが漂った。選挙があることを知らない有権者もちらほら。ある候補者は前哨戦を振り返り、「低調やったね。特に若い世代の関心が薄い」ともらす。

 各陣営は地元などの地盤とする投票率低下を避けるため、告示までに後援会を中心に必死の活動。告示後はポスター掲示板に候補者のポスターが貼られ、市内を巡回する街宣車の呼び掛けも後押しし、少しずつだが市民の関心は向けられているようだ。

 貴志川町の中年女性は「ここ数日でようやく選挙があるという実感が湧いてきた」、高齢の男性は「街宣車を目にするようになり、候補者の顔が見え始めた」と話す。

 打田地区を中心に選挙活動を展開する現職候補者は、有権者の関心を引きつけようと、活発な街頭演説で政策などを訴える。実施場所は連日約20カ所に及び、陣営は「少しずつだが関心は高まっている」とする。

 同地区の新人候補者も同様の反応。前哨戦から続ける毎朝の辻立ちの成果か、「街を回っていると声を掛けられることが多くなった。確実に反応もよくなってきている」と分析する。

 11日現在の期日前投票者数は832人。