魚食材一部で誤表示 ホテル中の島

 南海電鉄のグループ会社、㈱中の島は13日、那智勝浦町の「ホテル中の島」でことし4月から先月にかけて「地魚」や「地元産」との表示で提供した海産物の一部に、他県産のものを使用していたと発表し、謝罪した。

 和歌山市内で記者会見した同社の小柳伸明社長らによると、「地魚姿造り」と表示していた魚介6種類の刺身盛り合わせのうちのアジとカツオ、「地元産」と表示していたアワビについて、地元産の漁期以外の時期に愛媛や宮城、山口産などを使っていた。

 意図的な偽装や原価を下げるなどの考えはなかったことを強調し、同等の品質の他県産を使った時期は、むしろ仕入れ値が上がっていると説明した。

 主な原因として、食材の地元漁期などの情報について、表示担当の営業部門と仕入れ、調理の担当者間の情報伝達ができていなかったことなどを挙げた。

 表示と異なる料理を提供したのは1159人で、全員に謝罪の書面を送る。食材の品質は同等との理由から返金は行わないとしている。

 小柳社長は「お客さまに、全て地元産の魚だとの誤解を与える表示だった。深くお詫び申し上げる」と述べた。