和工惜敗 全国高校ラグビー和歌山県大会
第93回全国高校ラグビーフットボール大会県大会の決勝が17日、和歌山市毛見の紀三井寺公園陸上競技場で行われ、5連覇に挑んだ和歌山工は熊野に10―13で惜敗した。意表を突くドロップゴールなどで熊野に前半8点のリードを許した和歌山工は、終盤1トライを返し、3点差を追いかけ逆転へ粘り強い反撃をみせたが、ゴールラインまで、わずか1㍍届かずノーサイドの笛に涙をのんだ。
◇決勝
和工10(5―13、5―0)13熊野
濱口博行監督が決勝3日前に緊急入院、チームメートが骨折で不出場など、厳しい状況で決戦に臨んだ和工フィフティーンは、序盤からやや動きに硬さが見られ、前半5分、本来のリズムを取り戻す前に、熊野のカウンター攻撃に先制のトライを奪われた。
和工も12分、敵陣ゴール前左のラインアウトからモールで一気に押し込み、林が左中間へトライを決めた。同点としたものの、やや決め手に欠く和工に対し、熊野は24分、俊足の中村が和工ディフェンスを振り切り左隅にトライ。終了間際には和工陣内でのラックから濱のドロップゴールが飛び出し、5―13で折り返した。
後半に入っても、熊野のフォワード、バックスの連続攻撃に、守りに回った和工に反撃の機会は少なく、27分相手ラインアウトのこぼれ球を拾った濵田がそのまま右中間へトライ。3点差と迫るトライは、和工にパワーをよみがえらせ、終了間際にはゴール前へ猛攻、ボールを持ち込みゴールラインへ迫ったが、逆転トライはならなかった。連覇は4でストップしたがノーサイドまで、諦めず全力プレーを尽くした和工フィフティーンに、和工、熊野の両応援団から温かい拍手が送られた。
和工の山下弘晃部長は「監督不在の中で、選手たちはよく頑張った。また一からやり直す」とした。