女性捜査官、特別研修生を指定 DV事件等対応

初期対応を誤れば重大事件に発展するストーカーやDV事件で、女性目線の捜査で素早い解決や被害者ケアにつなげようと県警は19日、若手警官2人を女性捜査官特別研修第一期生に指名し、研修を開始した。2人は、来年2月28日まで机上や実務の研修を受けて現場に戻る。

県警に寄せられる女性に関する被害相談は年々増加。ストーカー相談は平成20年が229件に対し、ことし10月末で267件。DV被害は、同期間で265件から534件に増加している。

これらの事案に対応しようと県警は、女性警官の数を全体の1割程度まで増やすことを目指し採用活動を強化している。今後も研修を継続し、第1線で捜査できる知識を備えた女性警官を増やしていく予定だ。

第一期生に指名されたのは、和歌山北署木ノ本交番の田原利恵巡査(24)と、かつらぎ署高野口交番の福永陽子巡査(24)。2人は同日、植田秀人本部長から指定書を受け取った後、さっそく研修に入った。

講義では、ベテラン捜査官から「心を閉ざした被害者に女性警官が話を聞くことで、心を開くこともある」とし「対話の中から被害者の本当の声を聞くことが女性警官の使命」などとを指導を受けていた。

福永巡査は「女性や子どもを守りたいと警察官になった。頑張りたい」、田原巡査は「増加する女性被害者事件に対して少しでも役に立ちたい」とそれぞれ意気込んだ。