日本文化の素晴らしさ、伝えたい アマゾン地方で筝曲コンサート
前号より「和歌山の琴がつなぐご縁」と題し、和歌山からJICAを通じブラジルで活躍する山田裕子さんの思いをうかがっている。
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ベレン市は、赤道南緯1度に位置し一年中30~32度、湿度80~90%の熱帯雨林気候。私の暑い熱い活動が始まりました。箏がつないでくれたご縁は、「ベレン箏の会」をはじめどんどんその輪が広がっています。
私に、ブラジル行きをすすめて下さった和歌山県出身の筝曲家西陽子先生も2年続けてベレンを訪れ、先月には、アマゾンのゴム景気の時代に建てられたオペラ劇場で、コンサートを開く事もできました。現地音楽家たちとのコラボは、700人の観客を魅了し、箏曲家江戸信吾さんによるブラジルと日本のかけ橋というテーマで作曲された「久遠の大地」は、会場の日系人の心を熱くしていました。
「ベレン琴の会」は、汎アマゾニア日伯協会で開催されるさまざまなイベントで活動しています。中でも、4000人が集まる日本週間では日本文化のワークショップが開催され、箏の体験にも多くのブラジル人が参加し実際に箏に触れ強い関心を持ってくれます。
2014年には、アマゾン地方では日本人移住85周年を迎えます。アマゾンに移住してきた1世の方はとても日本文化を大切にし、子どもや孫に伝え残そうと努力されています。私も、少しでもその役に立てるよう日本文化の素晴らしさ、箏の魅力を、残る任期までに精一杯伝えていきたいと思っています。
(山田裕子/ブラジル・ベレン)
2週に渡り、ブラジル・ベレンよりリポートしました。