地域に笑いと感動呼ぶ ふるさと海南座旗揚げ公演
笑いで地域を盛り上げる吉本興業の住みますプロジェクト第2幕として立ち上がった「ふるさと劇団海南座(かいなんだ)」の旗揚げ公演が8日、海南市民交流センターで開催され、和歌山住みます芸人「わんだーらんど」と市民ら手作りの郷土愛あふれる演劇で、500人を超える来場者の笑いと感動を呼んだ。
吉本興業と海南・紀美野の絆ネットワーク「Kプロジェクト」とのコラボレーション事業。昨年11月の旗揚げ以降、12月のオーディションで県内7歳から65歳まで男女49人とヤギ1匹の劇団員が誕生し、練習してきた。
演劇は構成作家の北村健さん、わんだーらんど・谷坂俊輔さんが脚本・演出を担い、「海南市黒江と紀州漆器職人」をテーマに、黒江で漆塗りの家業を継いだ男性が旧友とバンドを結成し、海南で音楽フェスティバルを開催しようと奔走するストーリー。谷坂さん、わんだーらんど・東岸誠さんはじめ、主人公役の高関優さん(32)=和歌山市=ら劇団員が出演し、練習成果を発揮した。
地域の魅力や親子の絆を描く感動に地元スーパーで流れる曲を歌ったりの笑いを織り交ぜ、会場を魅了。それぞれ伸び伸びとしたせりふ回しや動きで臨場感たっぷりに演じた。人気コンビの「銀シャリ」もゲスト出演。市民劇団員との絶妙な絡みで沸かせた。
フィナーレでは出演者全員がステージに登場。銀シャリの2人は「素晴らしかった。本当にいいまちですね~」と感想を口にし、8月13日に第2回となる野外公演の決定が発表されると、盛り上がりは最高潮に達した。
公演を前に「未来へ繋ぐ感動集」を上演。歌、南中ソーラン、ダンス、歴史物語が披露され、休憩中には海南飲食店有志によるスープの振る舞いがあった。
海南座座長の谷坂さんは「これまでで一番よかった。皆さんに感謝。生まれたまち、自分のまちを好きになってもらえたらうれしいですね」。家族で訪れた海南市出身の阪本宏美さん(31)は「笑いあり感動あり、ふるさとのよさをあらためて感じました。今は和歌山市に住んでいますが、いつかまた帰ってきたいですね」と話していた。