心肺停止の男性救う テニス協らに感謝状
心肺停止状態だった男性(58)を適切な処置で救ったとして和歌山市消防局(林正義消防局長)は15日、和歌山市内の個人4人と市テニス協会(板垣建治会長)に感謝状を贈呈した。
男性はことし3月9日、同市松江の市民テニスコートで開催されたテニス大会に出場。ゲーム開始から15分ほどすると突然、心肺停止状態で倒れた。狭心症が原因だった。近くにいた4人は、すぐに駆け寄り脈や呼吸がないことを確認すると、心臓マッサージや人工呼吸、AED(自動対外式除細動器)など役割分担して処置。救急隊員が駆け付けるまでの5分ほどで男性は呼吸を取り戻したという。その後、後遺症もなく社会復帰を遂げた。同消防によると、昨年に心肺停止状態で搬送されたのは424人。そのうち、社会復帰できたケースは5例しかないという。迅速な対応が、奇跡的に後遺症もなく回復したことにつながった。
北消防署で行われた伝達式では、馬場克章署長が「冷静な判断で傍観者にならず適切に対処してもらえたことに感謝します」とその行動をたたえた。人工呼吸を行った同市和歌浦東の会社員、矢野義登さん(60)は「『助かってほしい』と無我夢中で措置しました。指示者もなかったが、それぞれが役割分担できたことが良かった」と喜んだ。
その他、個人で表彰されたのは、中野健一さん(71)=西庄=、山田耕司さん(51)=園部=、井賀秀樹さん(27)=松ケ丘=。