東京五輪への希望語る 元水泳の伊藤さん

 角谷スポーツ科学振興財団主催の「スポーツ講演会」が5月31日、和歌山市のホテルアバローム紀の国で開かれ、元水泳日本代表選手の伊藤華英さん(29)が「2020東京オリンピック・パラリンピック競技大会への希望」と題して講演。東京開催について「日本人は受動的ではなく能動的になるべき。日本人として何ができるかを考えていくことが大切」と話した。

 来年に迫った紀の国わかやま国体・大会、全国高校総合体育大会(インターハイ)を前に、県内スポーツの機運を高めようと開催。県内スポーツ関係者やスポーツ医・科学関係者ら約170人が出席した。

 講演は伊藤さんの体験を基に進められ、主に現役から引退するまでの気持ちの変化について話した。バルセロナ世界選手権で日本最上位となり、周りから五輪出場への期待が高まる中、臨んだアテネ五輪の日本代表選考大会。順位は3位で代表選手には届かなかったエピソードを紹介。3位になった時に初めて五輪に行きたいという意思が強く芽生えた他、たくさんの人の支えがあることに気付いたという。
 また五輪はスポーツの価値を高めると説明し、「一つのことに向かって進むことが大事。現役アスリートにも感じてほしい」と話した。
 開会では主催者を代表して、同財団創設者の角谷昭一さんが「スポーツへの心掛けを学び、今後の活動に生かしてほしい」とあいさつ。この他、日本アンチ・ドーピング機構専務理事の浅川伸さんによる講演「我が国におけるアンチ・ドーピング活動の今後の方向性」も行われた。