最も身近な国立公園 加太・和歌浦 瀬戸内海の魅力
前号より、ことし80周年を迎える瀬戸内海国立公園について紹介している。県内では和歌山市がエリアに含まれ、加太・友ヶ島地区と和歌浦・雑賀崎地区の海域と陸域が同公園として指定されている。
環境省の管理計画書によると、現在の景観を極力保護することが必要な地域(第1種特別地域)として、神島(加太・友ヶ島地区)、双子島・大島・中ノ島(和歌浦・雑賀崎地区)が該当し、自然植生や自然海岸を厳正に保護。沖ノ島・地ノ島(加太・雑賀崎地区)、加太・深山の海岸林、城ヶ崎海岸の海食台、雑賀山は第2種特別区に指定され地形や植生など島の景観保全を、雑賀崎から新和歌浦にかけての断崖の景観や鷹ノ巣の上人窟などは第3種特別区に指定され海食崖の保全など、それぞれ、保全対象と保護管理の方針が定められている。
また、加太地区の砲台跡展望広場や城ヶ崎、友ヶ島地区のコウノ巣山展望台、雑賀崎・和歌浦地区の雑賀崎灯台や章魚頭姿山(たこずしやま)、番所の鼻は、代表的な展望地として、そこから望む紀淡海峡や島々、海岸線などが展望、眺望の保全対象とされている。
これらの地域は和歌山市において代表的な景勝地として私たち市民にも知られているが、近年、かつてのようなにぎわいから遠のきつつあることも事実。それに対し、アニメを皮切りにした友ヶ島地区の人気、和歌浦の海の幸を身近に味わえる試みなど、地域の方々の尽力も大きい。指定80周年を機に、極めて身近にある瀬戸内海国立公園の魅力に触れてみてはどうだろう。 (次田尚弘/和歌山)