海を渡った先人の歴史 和大で移民展
全国有数の移民輩出県、和歌山をテーマにした特別展「移民と和歌山 先人の軌跡をたどって」が、和歌山市栄谷の和歌山大学付属図書館3階、紀州経済史文化史研究所で開かれている。8月8日まで。
2年ぶり5回目の移民展。県内各地の資料館などの協力を得て、パネルや写真、手紙など約70点を展示している。展示資料によると、和歌山の出移民数は約3万3000人で全国6位という。
展示は8章構成で、第4章ではオーストラリアへの移民を紹介。同国へ渡った人々は海に潜り、高級ボタンの材料とされた真珠貝を採取する「真珠ダイバー」として命懸けで働いた。ダイバーたちの写真や、ダイバーヘルメットの現物なども見られる。
同研究所の村旭輝特任准教授(35)は「各地で努力して収集された史料をご覧いただき、当時と現代の生活を照らし合わせてもらえれば」と来場を呼び掛けている。入場無料。午前10時半から午後4時まで。土・日曜と祝日、6月30日は閉館。問い合わせは同所(℡073・457・7891)まで。
28、29の両日には関連事業として、日本移民学会の第24回年次大会が同大経済学部棟で開かれる。