二度と戦争のない日本を 念仏者の集い
和歌山大空襲から69年となった9日、和歌山市鷺ノ森の本願寺鷺森別院で「平和を希(ねが)う念仏者の集い―全戦没者追悼法要―」が開かれ、本願寺派布教使・奈良教区平群組善正寺前住職の石川欣也さんが「憲法9条は仏さまの願いです」と題して講話した。参列した約300人を前に、戦争時代の体験を交えながら憲法を守ることの大切さを訴えた。
石川さんは、安倍内閣が今月1日に閣議決定した集団的自衛権の行使容認について「国民に諮ることもなく、政府の一存で決定した」と非難し、「また戦争への道を歩み始めるのではないか」と懸念を示した。
少年時代には満州事変、日中戦争、第2次世界大戦が勃発し、「戦争に明け暮れた少年時代だった」と振り返った。第2次世界大戦で大空襲を受けた大阪を目の当たりにした石川さん。黒い遺体が道中に多くあった悲惨な光景などを伝えた。
また「もし日本が再び戦争の矢面に立つようになったらどうする。子や孫はどんな未来を迎えるのか。非暴力こそが仏教徒の悲願」と呼び掛け、二度と戦争の起きない日本を願った。