市長候補の提案 伏虎中の跡地利用
和歌山市長選の争点の一つになっている小中一貫校開校後の伏虎中学校の跡地利用問題。一貫校は、雄湊、本町、城北の3小学校と伏虎中を統合し、平成29年4月の開校を目指している。現在、新校舎が建設される予定の城北小周辺では関連工事が進められているが、伏虎中跡地の活用策は未定で、新市長の手腕が問われる。
市内中心部に位置する3小では、まちなかの人口減とともに児童数が減少。約50年前の高度経済成長期には、1学年に200人ほどが在籍していた各校も、本年度の1年生(5月11日現在)は、本町が13人(全校児童106人)、雄湊が40人(同214人)、城北が20人(同125人)にまで減っている。
一貫校の新校舎は災害時の地域の防災拠点にも位置づけられ、3階部分に体育館を設置する計画。教育面では、一貫校の特性を生かした4・3・2年制の教育課程を採用し、通常の小中の年齢をまたいだ継続的な教育の実施を図る。
市教委は伏虎中の跡地利用に関して、老朽化が進む教育関連施設を集約させたい考えだが、市長選の6候補は、中心市街地活性化策も絡めて、商業施設や公共施設の建設も含めたさまざまな提案をしている。跡地利用の判断は新市長が迫られることになる。
各候補の見解は次の通り(届け出順)。
尾花正啓候補は、耐震化した現校舎への大学などの誘致によるにぎわい創出、城周辺との一体整備などを検討する。
中津孝司候補は、登下校の長距離化や教職員削減などの問題から、一貫校設置に反対し、伏虎中学校は存続させる。
遠藤富士雄候補は、南海市駅前の再開発と連動し、景観に配慮した博物館や図書館など文化複合施設を設置する。
小早川正和候補は、観光バスが停車できるマルシェ(市場)を合わせた観光施設を設置し、市内外から誘客する。
浜田真輔候補は、一部建物を現存活用し、市民会館や公共施設、放送機関、商業施設が入る複合集積ビルを建設する。
芝本和己候補は、交流、文化、創造の拠点として、全国初の校舎をリノベーションした「街の駅」を誕生させる。