迫真の朗読劇 有吉佐和子没後30年

ことしが没後30年に当たる和歌山市出身の作家、有吉佐和子を顕彰する朗読劇「秋茄子(なす)のススメ」が7日、同市伝法橋南ノ丁の市民会館で開かれ、佐和子の代表作の一つ『華岡青洲の妻』の舞台に出演する女優らの葛藤を描いた朗読劇で、集まった約100人を楽しませた。

大阪ガス㈱が主催。同劇は、同社がラジオドラマとしてプロデュースした作品を舞台化したもの。青洲の妻「加恵」と姑「於継」を演じる女優2人が、いがみ合いながらも一つの舞台を作り上げる物語。加恵役は紀の川市出身の女優、楠見薫さん(47)が演じた。舞台上では、加恵と於継の対立や、青洲が作った麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」の実験に2人が名乗りを上げ、互いに譲り合わない場面を、迫真の朗読で表現した。

鑑賞した岩出市大町の自営業、中谷隆志さん(41)は「朗読劇は初めてでしたが、物語に引き込まれました。舞台の出演女優にスポットを当てる脚本がおもしろかったです」と話していた。