紀州東照宮 楼門に大木倒れかかる

 台風11号の暴風の影響で、和歌山市内の文化財にも被害が出た。

 同市和歌浦西の紀州東照宮(西川秀紀宮司)では、樹齢200年ともいわれる松の大木が、国の重要文化財に指定されている楼門に倒れかかり、瓦の一部が割れるなどした。

 倒れたのは同宮の108段の石段脇にある約20㍍の松の木で、根元から幹が裂けてしまった状態。風雨が収まった10日午後2時ごろ、西川宮司が境内を見回る中で確認した。

 参拝者の安全を考え、石段部分は通行禁止となっているが、ゆるやかな階段の迂回路から参拝は可能。西川宮司(68)は「私が奉仕するずっと前からこの地にあった木で、大変驚いた。安全に参拝者を迎えられるよう、できる限り早く撤去を進めたい」と話していた。