駐車場探しに新システム 空きナビ
データ通信システムの開発などを手掛けているM2Mテクノロジーズ(和歌山市黒田、竹迫一郎社長)は、駐車場の空車状況が一目で分かる「駐車場利用状況通知システム『空きナビ』」を開発した。押しボタン式通報装置とクラウドシステムを活用し、登録された駐車場の利用状況はパソコンやスマートフォンからリアルタイムで確認でき、渋滞緩和や交通事故対策などへの利用が期待される。
同システムは8月9日から白浜町で実証実験。同町では、海水浴や花火大会など夏の観光シーズンに駐車場に向かう幹線道路が渋滞する一方、少し外れた裏手の駐車場は空車の場合があり、誘導方法が課題となっている。同社は、人感センサーと押しボタン式通報装置を使った高齢者見守りシステムの開発で培った経験と技術を生かし、駐車場の利用状況を管理・発信できるシステムの開発を進めてきた。
「空きナビ」は、通信端末とボタン式通信機を各駐車場に設置し、駐車場の管理者は「空車」「残少」「満車」の3種のボタンを押すだけで、デジタル簡易無線などを利用して空車状況を簡単に更新できる。「空きナビ」専用ホームページでは、地図上に登録駐車場の目印が表示され、色で空車状況を確認できる。
駐車場管理者は機器に詳しくなくてもボタン一つで操作でき、利用者も専用ページを確認するだけで駐車場を探し回る負担がなくなる。
実証実験開始から約1カ月がたち、同町では「空きナビを見て来た」という利用者の声も聞こえているという。
今後同社は、入退場の頻度が高い駐車場の安全対策や管理業務の省力化についての提案を強化し、商品化を目指すとしている。
同社取締役の内山恒示さん(46)は「シンプルなボタンをうまく活用したシステムとなった。来年も実証を続けてもらいたい。将来的には、イベント時の出店ブース、トイレなどの混雑が予想される場所の誘導用として活用を進めるなど、このシステムを広めていきたい」と話している。