【AR】ペットと一緒に避難 県内初の訓練
大災害時のペットの避難方法について考える「防災避難教室」が13日、和歌山市中野の貴志南小学校で開かれ、市民約50人と犬15頭が参加して、災害発生時の対応を学んだ。NPO法人震災から命を守る会(臼井康浩理事長)が主催。ペットの同行避難訓練は県内で初の試み。
過去の大震災でも課題として挙げられたペットの避難問題。多くの人がペットを家族の一員と捉えており、被災時には、一緒に避難することが予想される。しかし、各地域でペットの同行避難訓練などは浸透していないのが現状。
同会は昨年から、被災者にとってペットが心の支えになることに注目して、同行避難実現に向けて活動している。県も、被災時のペット救出を、「動物愛護」の観点から方針転換し、「被災者支援」と位置付けているなど、少しずつ状況が変わり始めている。
今回の教室では、中心的に企画した石田千晴さん(動物看護士)などが講演し、避難所生活に必要になるペットのしつけなどを指導。ケージに入らせるために、普段から少しずつでも餌などを使って籠や箱に慣れさせること、犬同士がけんかになりそうな場合は、人がその間に入って落ち着かせることなどを紹介した。
体育館に入った犬は、用意されたブルーシートの上で、暴れたり、ほえたりすることなく静かにしていた。この日はその他、同市保健所の渡邊喬獣医師や日赤県支部の南方秀昭救急法指導員らの講演があった。
愛犬のトイプードルと参加した同市津秦の寺田弘美さん(49)は、「これまでなかった同行避難の防災イベントに参加し、ペットのことも考えた防災が必要と感じました」と話していた。