商業2地点6年ぶり上昇 県内地価

 国土交通省は1月1日現在の地価を公示し、県内は9市20町1村、270地点の価格が発表された。住宅地の1平方㍍当たりの平均価格は24年連続下落、商業地は23年連続下落で、依然として下落傾向は続いているが、利便性の高い一部地域では下げ止まり傾向もみられる。

 全用途の平均変動率は3・1%減(前年4・3%減)と下げ幅は3年連続で縮小。用途別の平均価格は、住宅地3万5400円(平均変動率3・0%減)▽商業地7万9700円(同3・0%減)▽工業地2万8500円(同4・7%減)――で、平均変動率の下落幅はいずれも縮小している。

 県地域政策課によると、住宅地は、前年は価格上昇が5地点だったのが、今回は、市街地に隣接する高台で利便性のよい田辺市南新万や、交通・商業施設の充実で需要のある和歌山市中(ふじと台)など8地点で上昇。

和歌山市の雑賀道、南田辺丁、西高松2丁目、西長町、岩出市野上野など10地点が横ばいだった。海岸沿いの低地や交通の利便性の良くない地域で下落率が高くなっている。

 商業地は、平成20年以来6年ぶりに2地点で上昇。今回は和歌山市東長町、岩出市清水が上昇に転じた。横ばいも、昨年の1地点から9地点(和歌山市8地点、岩出市1地点)に増えている。

 一方で、県南部の地域では高齢化や人口減少による産業基盤の脆弱(ぜいじゃく)性などにより、平均を大きく上回る下落地点もみられる。

 最高価格は、住宅地は、和歌山市吹上4丁目6番10の17万7000円(変動率2・9%増)。商業地は「同市友田町5丁目50番」が16年連続トップの43万8000円(変動なし)だった。