いじめ認知件数が増加 25年度県内
平成25年度に県内の国公私立学校で認知されたいじめ件数は、児童生徒1000人当たり23・7件と、前年度と比べて2・5件増え、全国平均13・4件を上回っていることが16日、文部科学省が公表した「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」で分かった。公立小学校と高校は前年度よりいじめの認知件数が増えており、県教委学校指導課は「暴力行為、いじめ、不登校のすべてがなくなるよう全力で取り組んでいきたい」としている。
同課によると、公立学校でのいじめの認知件数は、小学校1882件(前年度1609件)、中学校452件(485件)、高校278件(234件)、特別支援学校23件(28件)だった。いずれの学校も、いじめの態様として「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が一番多かった。
県教委では、いじめについての面談を年3回以上行い、生徒と向き合うことを呼び掛け、「いじめ問題対応マニュアル」を活用した研修を行うなど、積極的にいじめを認知することを教職員に勧めてきた。同課は「教職員がいじめの定義をきっちりと理解して生徒と向き合ったため、いじめを見つけることができた」としている。25年度に認知されたいじめのうち、すでに99・9%は解消しているという。
また、公立学校の暴力行為の件数は、小学校26件(前年度18件)、中学校469件(518件)、高校101件(172件)。中学校では生徒間暴力が前年度と比べて35件減ったが、思春期である中学生の感情の不安定さなどから、対教師暴力は19件増えたとしている。
不登校は小学校248件(前年度216件)、中学校848件(797件)、高校464件(393件)といずれも増えており、家庭の教育力の低下や児童生徒のコミュニケーション能力の不足などが要因とみている。
公立高校の中途退学は463件(全日制295件、定時制114件、通信制54件)で、前年度より21件減少した。