ヨット66艇寄贈 セーリング充実へ

 紀の国わかやま国体のセーリング競技会場であり、全国高校総合体育大会(インターハイ)同競技の継続開催も決まっている和歌山セーリングセンター(和歌山市毛見)に、ヨット66艇が新たに配備されることが決まった。日本財団(笹川陽平会長)の助成で県体育協会(会長=仁坂吉伸知事)に寄贈されるもので、21日、同センターで贈呈式が行われた。県や県教委と連携し、同競技の普及促進や海洋教育の推進などに使われる。

 寄贈されるのは、国際大会で使用される2人乗りの420級40艇▽1人乗りのレーザーラジアル級16艇▽子どもや障害のある人にも対応した転覆しないアクセスディンギー10艇――の計66艇。来年3月までに順次寄贈され、420級2艇、レーザーラジアル級6艇、アクセスディンギー10艇はすでに配備されている。

 同センターは、文科省から同競技のナショナルトレーニングセンターに指定されている他、来年から10年間、インターハイの競技会場になる。インターハイや国体では、来年から公式艇が国際大会で使用されるものに切り替わることから、県教委は同協会のヨット購入費支援を本年度当初予算案に計上し、420級40艇、レーザーラジアル級30艇の購入を予定していたが、今回の寄贈で大半が整うことになる。

 贈呈式には、仁坂知事、西下博通県教育長、式典前に行われたヨット体験会に参加した名草小学校6年生約70人らが出席。笹川会長からセール(帆)を受け取った仁坂知事は「心が舞い上がるよう。多くの艇を整備いただき、感謝しきれません」と感謝。笹川会長は児童に「自然は優しい時も怖い時もある。海の大切さを理解し、強い大人に育ってほしい」と呼び掛けた。児童代表の柏野陽音君と川﨑理沙子さんが体験会での感想を話した他、笹川会長、仁坂知事、西下教育長で420級のセールを張った。

 寄贈されたヨットは県選手の練習などにも活用される。セーリングの県選手は、韓国でのアジア大会で日吉染業のチームがマッチレース銅メダル。長崎国体(10月12~22日)のスモールリグで和歌山工業高校2年の矢野伸一郎選手が優勝するなど、活躍している。来年のわかやま国体、インターハイでの上位進出も期待されている。

寄贈されたヨットに帆を張る(左から)西下教育長、笹川会長、仁坂知事

寄贈されたヨットに帆を張る(左から)西下教育長、笹川会長、仁坂知事