国道42号と渥美半島 起点・篠原交差点(浜松市)

 これまで、浜松市から和歌山市に至る国道42号における、海上区間(伊良湖―鳥羽)や、紀勢本線と交差する唯一の踏切(紀宝町)について取り上げてきた。今週は、起点となる浜松市から伊良湖港がある田原市を結ぶ、伊勢湾を隔てた渥美半島側の区間を紹介したい。

 国道42号が始まる篠原交差点は浜松市の外れに位置し、国道1号・257号・301号が交わる地点だ。ここから国道1号線との重複区間としてスタート。浜名湖の南端を東海道新幹線やJR東海道線と並走し湖西市に入り、浜名バイパスの大戸倉ICを超えると、国道42号単独の路線となり、旧東海道を進む。

 間もなくして旧東海道を外れると愛知県豊橋市に突入。この辺りでは、太平洋沿岸を走るからか「表浜街道」と呼ばれる。市街地から外れ、片側1車線の道路の両端には畑やビニールハウスが並ぶ。渥美半島一帯では花や野菜の生産や畜産が盛んで、田原市に入るとメロンの直売所やイチゴ狩りができる施設が多く見られる。春先にかけては菜の花畑が沿道を飾ることから、地元では「渥美半島菜の花浪漫街道」と名付け、誘客を呼び掛けている。

 渥美半島の突端に近づくにつれ起伏の激しい道がしばらく続き、伊良湖港にたどりつく。伊勢湾を渡るフェリー乗り場に併設する形で「道の駅・伊良湖クリスタルポスト」があり、フェリーの発着を待つ利用者らでにぎわう。

 総距離500㌔近い国道42号を巡れば、太平洋沿岸ならではの青い海と海の幸、風景が堪能できる。みなさんも、身近な国道42号を走破してみては。
    (次田尚弘/静岡)

国道42号の起点「篠原交差点」 (浜松市西区)

国道42号の起点「篠原交差点」 (浜松市西区)