国体向けバレーボール強化 「和歌山クラブ」発足

 平成27年に開かれる 「紀の国わかやま国体」 に向け、バレーボールの競技力向上を図ろうと、 経験者らが集まり「和歌山クラブ」を発足させた。今後、定期的に練習会などを開き、主にジュニア層で普及・強化とレベルアップを図っていく。 同クラブは 「大人たちも頑張っている姿を見せることで、 子どもたちと一丸となって機運を高めていきたい」と意気込んでいる。

 メンバーは、 選手12人とスタッフ3人で構成。 選手は、 プロ、 大学生、 社会人など、 さまざま。 20日には、 同クラブのメンバーで県職員、 元全日本選手の山本英之さん(29)を講師に、 中学生を対象にした強化練習会を和歌山市内で開き、 57人が手ほどきを受けた。

 バレーボール種目のみならず、 国体に向けて課題に挙げられるのは、 主力となる中学生の強化。 しかし、 和歌山のバレーボール競技人口は減少が著しく、 厳しい状況にある。 同クラブによると男子については、 市内の中学校でバレー部があるのは、 わずか5校。 県内では16校ほどで、 約10年前と比べ、 半数になった。 女子もチーム数は徐々に減っており、 取り巻く環境は厳しい。

 同クラブで監督を務める辻本栄喜さん(31、 和歌山工業高校教員) は 「バレーが続けられる環境を整えることも重要」 と話す。 中学から高校に進学する際、 進学先にバレー部がなく、 競技を変えてしまうケースも多いという。

 そのような背景から、 今、 競技をしている生徒たちはまさに 「金の卵」 なのだという。 有望な選手の芽を摘むことのないよう、 選手を育て強化策を探る。 地元国体での成績は気になるところだが 「レベルアップは、 何も国体に限ったことではない。 これを一つのきっかけに、 バレーボール界を盛り上げていきたい」 と期待を込めている。
=国体に向け意気込む 「和歌山クラブ」 のメンバー