東洋精米機が50周年記念セレモニー

 ㈱東洋精米機製作所(和歌山市黒田、雜賀慶二社長)の創立50周年記念セレモニーが21日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで開かれ、取引先関係者ら約310人を迎え節目の年を祝った。雜賀社長は、低コストで高品質な米を作ることができる新しい精米法「サイカ式精米法」を発表した。

 同精米法は、米の糠層を少しずつ剥がして栄養価の高い「亜糊粉層(あこふんそう)」を残す精米法「均圧精米法」と、米ぬかの粘着性を利用した無洗米の製法「BG精米製法」を組み合わせたもの。従来、金芽米にだけに使われていた技術だが、全ての米に使えるようにした。

 この精米法で作られた米は栄養価が高いだけでなく、水にひたした時と炊飯時に多くの水を吸収することで酵素が活性化し、さまざまな健康効果をもたらすとともに、上品な甘味とうま味が引き出される。また「亜糊粉層」を残しているため炊いた時の量が増え、約9%米代が下がるという。

 同社はこの技術によって業者や消費者に多くのメリットを付加するとともに、国内で生産する米そのものの価値を高めて国際競争力を強化し、日本の米社会に革新をもたらすとしている。

 セレモニーで雜賀社長は「本当に感謝の気持ちでいっぱい」と話し、「この精米法で作った米を社会に普及させるために継続的なPR活動を行っていきたい。消費者や皆さんの事業、社会のために、これからも貢献し続けていく」と述べた。

 同社は同精米法で作られた米を年内に販売開始するとしている。