テロ対策の連携確認 和歌山港で訓練

 県、県警、和歌山海上保安部など7機関が連携し、テロ対応能力の強化を図る合同訓練(和歌山下津港港湾保安委員会など主催)が19日、和歌山市西浜の同港で行われ、約80人が参加して有事に備えた。

 平成18年度から実施している7回目の実践訓練。内閣官房水際危機管理チームから「和歌山下津港に入港予定の外国貨物船に、テロリストが乗船している可能性がある」との通報があり、同船を接岸させたと想定した。
 入国審査や手荷物検査を行っていると、船員を装ったテロリストが逃走。さすまたを持った警官たちが、ナイフを振りかざす男を取り押さえて逮捕した。テロリストが所持していた化学兵器を処理する作業の流れも確認した。
 海上では海保、警察、税関の船3隻による不審船への対応訓練も実施。不審船が停船命令を無視して発砲してきたため銃で応戦し、制圧してテロリストを逮捕した。
 海保の土師亮部長は講評で、「有事の際に失敗は許されない。問題点を一つ一つ抽出し、県民、国民の安全確保に努めてほしい」と参加者に呼び掛けた。北出祐司・同港港湾危機管理担当官は「各機関、緊張感を持って取り組み、連携がうまくいっていたと思う。日本もテロの標的にされる可能性は十分にあり、水際で確実に阻止する強固な対策が重要だ」と話した。

化学兵器を処理する参加者

化学兵器を処理する参加者

不審船の男に銃を向ける海上保安官

不審船の男に銃を向ける海上保安官