元会長らを提訴へ 本脇自治会費問題

 和歌山市の本脇地区自治会の元会長が自治会費約3600万円を流用していた問題で、同自治会は25日、独自に行ってきた調査の結果を住民に報告し、元会長に流用した金の返還などを求める民事訴訟を2月にも起こす方針を固めた。

 この問題は昨年5月、元会長が自ら「会費を横領した」などと認めるメモを残したことで発覚。同自治会は和歌山北署に被害届を出すとともに、7月に役員を一新して独自調査を進めてきた。

 結果報告を行った現役員によると、同自治会と地区内の墓地管理委員会の平成14年4月~26年3月の収支を確認したところ、墓地の永代使用料の販売額と決算書に記された額に約200万円のずれがあることが分かり、元会長による横領額は、その差額を加えた約3800万円に上るとしている。

 元会長は平成17年に同自治会の会計担当となり、18年に会長に就任し、会計を外れた後も自ら会計業務を続けてきた。調査結果では、元会長の不適切な会計運営を黙認していたとして、元役員2人が「共同不法行為」に当たるとの認識を示し、2人も民事提訴する方針。

 調査ではこの他、墓地管理委員会が作られるきっかけとなった、地区内の新県道建設に伴う墓地の移転と新墓地の建設(平成14年)の経緯などにも疑問点があるとして、調査を続けるとしている。