【AR】きい探訪⑫~御坊市~
今週は、正式競技・特別競技のバレーボール(少年女子)と軟式野球(成年男子)が行われる御坊市を紹介したい。
御坊市は太平洋に面した温暖な土地を生かし、野菜や花卉(かき)の生産が盛ん。スイートピー、カスミソウ、スターチスは国内で有数の生産地だ。
軟式野球の競技会場となる御坊総合運動公園は日高湾が一望できる高台に位置し、和歌山県の朝日夕陽百選に選ばれた観光スポットでもある。雄大な太平洋と、花卉を育てる無数のビニールハウスが眼下に広がり、太平洋が育む豊かなまち並みを一望できる。
御坊の市街地を走る紀州鉄道を使ったまち歩きもお薦め。西御坊駅から東へ徒歩5分ほどのところにある「西本願寺日高別院」は、かつてから御坊さんと呼ばれ、市の名前の由来になったとされる。境内にある樹齢400年あまりの大銀杏は県の天然記念物に指定されている。
紀州鉄道は御坊駅と西御坊駅を結ぶ路線距離2・7㌔で、駅数は5駅。日本一短いローカル線としてファンも多い。市街地の軒下を縫うように走る1両編成のディーゼルカーは市民の生活に密着し親しまれる存在だ。
ユニークなグッズ販売も行われており、中でも横35㌢、縦15㌢の大きな硬券切符は、通常の切符の約37倍のサイズ。御坊―西御坊間の往復乗車券で実際に使用できる。広報担当の大串さんは、「いつから販売されているか分からないが、日本一短いローカル線と日本一大きな切符を掛け合わせたのでしょう」と話していた。
紀州鉄道は一日22往復の運行。平均時速30㌔で走る、ゆるりとした旅をぜひ。
(次田尚弘/御坊市)