県産かんきつアロマ 中野BCが開発

酒造業の中野BC(海南市藤白、中野幸生社長)は、県産かんきつ類から天然精油の抽出に成功し、合成香料不使用のアロマオイル「FRAGRANT KISHU waka(フレグラント紀州和香)」を発売した。ミカン、アマナツ、ユズ、レモン、サンポウカンの5種類あり、かんきつが持つふんわりと優しい、自然のフルーティーな香りが楽しめる。

植物系のアロマオイルは蒸留してオイルを抽出する場合が多いが、かんきつ類については香り成分が熱で変化しやすいため、圧搾法で抽出するのが通常。同社は、焼酎造りで培った水蒸気蒸留法で製造し、圧搾法で抽出する通常のかんきつ系アロマが持つ光毒性成分を含まず、アロマテラピストなどが安心して肌のトリートメントとして使用できるという。

精油を抽出する果実の皮は、地元の果汁メーカーの搾りかすを再利用。ミカンの場合、約90個の果実の皮から抽出したオイルを1瓶(5㍉㍑)に詰めている。

果実は劣化しやすいため、年間を通して安定的な生産体制を整えようと、冷凍した果皮を粉砕してから加水し、さらに粉砕して液状にしたものを蒸留する工法を発案。冷凍果皮からそのまま精油を抽出する場合と比べ、抽出率を17倍に引き上げることに成功したとしている。

同社は「女性研究員を中心とするさまざまな部署の女性社員10人がプロジェクトチームを組み、商品化までを一貫して手掛けました。〝女性が手にしたい〟を追求したエレガントな〝和〟のアロマが完成しています」と話している。

各種類5㍉㍑入りで2160円(税込み)。同社のホームページやアロマショップなどで購入できる。問い合わせは同社(℡073・482・1234)。

県産かんきつ5種類の天然オイル

県産かんきつ5種類の天然オイル