「イモが日本救う」 燃料としての可能性紹介
低炭素社会実現のため、 イモ類を燃料として活用する研究をしている近畿大学生物理工学部生物工学科の鈴木高広教授が、 紀の川市粉河のふるさとセンターで開かれた 「きのかわ環境フェア」 で講演し、 「イモが日本を救う」 とその可能性を紹介した。 年間45億㌧の生イモを生産できれば、 ガソリンなどの化石燃料を輸入に頼らない社会が実現できると訴えた。
鈴木教授によると、 近年のバイオマス技術により、 アルコール、 メタン、 コークスなどのエネルギーをイモから生産できるという。 それらのエネルギーを全てイモで代替すると、 日本の化石燃料輸入額20兆円が国内の農家に流れるという。 栽培地は、 国内の休耕地40万㌶と調整田やビルの屋上など遊休地を合わせると、 生イモ45億㌧の生産に必要な100万㌶が確保できる計算だ。
鈴木教授は 「一つのペットボトルポットで年間720㌘のイモが収穫できる」 と述べ、 「5段重ねで敷き詰め栽培するなどすることで、 2000平方㍍の土地で年間900㌧を収穫できる。 1㌔5円で売ることができれば現在の農家の平均年収の約4・5倍に当たる450万円の収入も理論上可能」 と説明した。 しかし実現には課題もあり、 今後、 「効率が良い小型発電機の開発」 「イモの収穫や加工の自動化」 「イモの品種改良」 などが必要だと話した。
講演を聞いた同市下丹生谷の農業、 木村恵宣さん (48) は 「夢のような構想ですが、 理論的にはできているので今後に期待ですね」 と話していた。