少年の立ち直り支援 県警学生サポーター

 非行少年の立ち直り支援などの活動に警察職員と共に取り組んでいる学生ボランティア、県警察学生サポーター「ブロッサムリーダーズ」の委嘱式が6月28日、和歌山市の県警本部県庁別館で開かれ、新たに近畿大学生物理工学部の14人の学生が委嘱された。

 学生サポーターは平成22年7月に発足し、6回目となる今回の委嘱を含めて71人。「ブロッサムリーダーズ」は「青春の指導者」を意味し、学生からの提案で名付けられた。

 活動内容は、非行少年らの居場所作りとして、農漁業などの体験研修、勉学の支援、レクリエーションなどを行っている他、非行防止の街頭啓発、清掃ボランティアなどにも取り組む。22~26年は計60回の活動を実施し、ことしは6月までに、農業体験などの立ち直り支援を4回行っている。

 委嘱式には県警の丸木健嗣生活安全部長や楠山隆少年課長、県警察少年補導員連絡協議会の半田德夫会長らが出席。新サポーター一人ひとりに委嘱状を交付した丸木部長は、少年の非行は減少しているものの、非行を繰り返す少年には親身に相談に乗る人、褒める人、居場所がないなどの課題があることを説明し、学生たちに「年齢の近い皆さんが時に優しく、時に厳しく少年たちに接し、立ち直りの大きな戦力になっていただけることを期待している」とあいさつした。

 教員を目指しているという、委嘱を受けた2回生の向井拓哉さん(20)は「話をして相手のことを分かっていくことが大事だと思う。誰とでも話して、誰からも好かれるサポーターになりたい」と意気込んでいた。

 委嘱式の後、研修会が開かれ、同学部の小田義隆准教授が「少年非行と少年法の理念」をテーマに講演した。

委嘱を受け抱負を話す学生サポーター

委嘱を受け抱負を話す学生サポーター