坂本冬美さんら受賞 和歌山県文化表彰

 文化向上に貢献した県関係者に贈られる 「県文化表彰」 の受賞者が1日、 発表された。 文化賞に、 上富田町出身の歌手・坂本冬美さん (44)、 橋本市出身の生物学者、 中辻憲夫さん (61) が選ばれた。 来年1月16日に、 県庁本館で表彰式が行われる。

 坂本さんは、 昭和61年にNHK勝ち抜き歌謡天国和歌山大会で優勝し、 翌62年に 「あばれ太鼓」 でデビュー。 日本レコード大賞新人賞など数々の賞を受賞し、平成21年にはCMソング 「また君に恋してる」 がロングヒット。 ことし5月には、 第62回全国植樹祭で国歌を斉唱した。 坂本さんは受賞を受け 「故郷和歌山では台風被害を受けた中、 受賞は心苦しい思いもあった。『まだまだ頑張れ』との激励と受け止め、歌の道に精進してまいります」 とコメントしている。

 中辻さんは、 昭和47年に京都大学理学部を卒業、 52年に同大理学研究科博士課程を修了。 平成3年から国立遺伝子学研究所教授としてほ乳類発生学に関する研究活動をしている。文科省による世界トップレベル研究拠点の一つである 「iCeMS」 初代拠点長として、 幹細胞研究の発展に寄与している。 中辻さんは 「和歌山は、 高校までの思い出多い自然と歴史豊かな地。 日本と世界は多くの問題に直面しており、 賢く対処できる科学者の役割と責任は大きくなっています」 とコメントしている。

 この他、 本紙エリア関係では、 文化功労賞に、 県児童合唱団育成会長などを務める和歌山市の岩橋延直さん (77)、 文化奨励賞に、 第71回手塚賞で入選し、「ジャンプスクエア」 で連載漫画を持つ紀美野町出身の助野嘉昭さん(30)=大阪府=、 海南市の同市美術協会会員、湯川雅紀さん(45)、紀の川市の「劇団 華岡青洲」などが選ばれた。

 同制度は昭和39年度に創設され、 ことしで48回目。