盲ろう者の映画上映会 22日T-LABO
目が見えない、耳が聞こえない障害の両方がある盲ろう者への理解を深めてもらおうと、NPO法人「和歌山盲ろう者友の会」(小杉純弘理事長)は22日午後7時から、和歌山市のみその商店街内カフェ「T―LABO」で、韓国で生活する盲ろう者を2年間にわたって撮影したドキュメンタリー映画「渚のふたり」を上映する。
同映画は、ソウル市郊外に住む、幼いころに視力と聴力を失った男性と、脊椎の障害で少し小柄な年上の妻に密着したドキュメンタリー。手などを使って触れ合うことで心を通わせる夫婦の愛を描いている。
上映会は定員30人。入場無料(和歌山ロータリークラブが助成)。自身も難聴で視覚に障害がある小杉理事長(60)は「映画を見て、盲ろう者も、さまざまなことを考えて生活していることを理解してもらい、社会とのつながりを深めるきっかけにしたい」と話し、来場を呼び掛けている。
◇
同NPOによると、県内の盲ろう者は推定300人。「盲ろう者は何もできない」との誤った先入観から、さまざまな場面で、社会から敬遠され、孤立しがちになっているという。
同法人が運営する、さをり織りなどの手織り工房「はぁとつぅはんど」(和歌山市美園町)は現在、6人の盲ろう者が利用している。盲ろう者には、通訳介助者などが付き添い、素材の種類や色などを、指点字や手の感触で手話を読み取るコミュニケーションで伝える。糸を選ぶ際には、肌に当てた感触から選ぶなど、盲ろう者の選択が尊重される。
工房以外の活動では、ボウリングなどに出掛けており、ボールを投げる楽しみや、ピンが何本倒れたかを伝えることで仲間同士の競争など通常と同じように楽しめるという。
同NPOの瀬戸節子事務局長(60)は「盲ろう者は家にこもっていると思われがちだが、社会と交流したいと思っている人がほとんど。本当の盲ろう者の姿を知ってほしい」と理解を求めている。
上映会や同工房についての問い合わせは同事務局(℡073・498・7756)。