日本トルコの合作映画『海難1890』PR
日本・トルコ合作映画『海難1890』(田中光敏監督、12月5日公開)の成功を願うイベントがこのほど、和歌山市手平の和歌山ビッグ愛で開かれ、映画の最新報告などがあった。日本とトルコの友好の歴史を知ってもらおうと、市民団体「紀州の心を世界へ紡ぐ会」が主催。約160人が、串本町を発端にした日本とトルコの友情の物語に思いを寄せた。
イベントは、日本とトルコの友好125周年を記念し「東の太陽 西の月」と題して開かれた。『海難1890』は串本町のエルトゥールル
号遭難事件と、その後のイラン・イラク戦争時のトルコ政府の日本人救出までの友情の絆を描く。内野聖陽さん主演、忽那(くつな)汐里さんがヒロインを演じる。
イベントでは東京都出身の講談師、神田山緑さんが両国の友情を描いた講談を演じ、臨場感ある軽妙な語り口で引き込んだ。
神田さんは串本町大島で遭難したトルコ人を、食糧が不足する中で村民たちが介抱するやりとりを演じ、イラン・イラク戦争時の邦人の救出劇を紹介。トルコで地震が発生した際にも日本が救援に向かい、東日本大震災時には、トルコが最後まで被災地にとどまり救援活動を続けてくれたことなどを語り「これというのも、全て串本町での村民による救出があったからこそ」と話した。
続いて同映画の制作に携わる大原詔久プロデューサーが映画の近況を報告。映画の予告映像を紹介し「今までの日本になかった美しい映像になった。日本人だけの映画ではないスケールの大きな作品に仕上がったので、ぜひ期待していただきたい」と語った。
同市松ヶ丘の栗原登子さん(64)は「エルトゥールル号の話は聞いたことがありましたが、その後のイラン・イラク戦争でトルコが日本人を助けてくれたことを知り、胸にジーンときました。迫力のある映画の映像を見て、公開が待ち遠しくなりました」と話していた。