岩橋千塚の前方後円墳 風土記の丘企画展

岩橋千塚古墳群にある前方後円墳の出土品などを紹介する企画展「岩橋千塚の前方後円墳」が30日まで、和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘で開かれている。

古墳800基以上が集まる同古墳群には、前方後円墳33基が点在。前方後円墳は有力者の中でも階級の高い人の墓とされ、多くは眺めのいい山頂付近に築かれているという。

企画展では130点以上の出土品を展示し、古墳が築かれた3世紀半ばから7世紀前半の約400年間の古墳の特徴を説明。県内最大級の前方後円墳「大日山35号墳」(全長105㍍)から出土した、貴重な銀を使い、クチナシを模して作られた首飾りの一部や、ふた付きの杯「有蓋高杯」などを展示している。

また、平成21年から22年に調査された前山A58号墳(全長19・6㍍)から出土した資料を初展示。有力者が持っていた杖をモチーフとした「石見(いわみ)型埴輪」や馬形埴輪など22点が並ぶ。

学芸員の仲辻慧大さんは「国家ができていく上で身分表示をするために古墳が造られてきた。前方後円墳の大きさや形、出土品などは身分で変わる。遺跡の魅力を味わってもらえたら」と話している。

月曜休館。午前9時から午後4時半(入館は4時)まで。問い合わせは同施設(℡073・471・6123)。

前方後円墳の出土品が並ぶ会場

前方後円墳の出土品が並ぶ会場